18 fevrier 2001 -
ふだん、フランス方面のジャズ情報源として見に行っているLe JazzというWebzineには、フォーラムが開設されていて、アマチュア、ジャーナリスト、ミュージシャンも含めて活発なやりとりが展開されてます。
きょうは、るいるいフォーラムにもときどき遊びに来てくれるパリ在住のシャルル君が、2001年1月8日にLe Jazzフォーラムに書いたマルク・デュクレ・トリオのライヴ観戦記をご紹介します。ライヴを待ってるあいだの雰囲気とかがリアルで面白いの。私の訳でどこまで伝わってるかは不安ですが、お楽しみくださいませ。
シャルル君はメールを通してだけの知り合いで会ったことはないのですが、たしかまだ20代前半、ポルタル様の大ファンというシブい男の子です。
ところでデュクレといえば、マルク・デュクレ&ドミニク・ピファレリ&ヴァンサン・クルトワという強力な弦楽器トリオのアルバムが、2001年4月にENJAからリリースされるみたいで(そうゆうふうにヴァンサン・クルトワのHPに書いてあるのだ)、むちゃむちゃ期待しましょう、これは。
Marc Ducret Trio Vendredi,Samedi et Sclavis...
そう、金曜(1月5日)の夜はラジオでマルク・デュクレ・トリオのライブを聴くつもりでいたんだ。ところが実際は何も聴けなかった。ラジオフランスとデュックの音声がつながらなかったんだ。あの晩は天気が悪かったからそのせいかもしれない。ともかくこんなの初めてで、ついてない...まったく苛々したよ。おまけにラジオがかけたのはマクラフリン、BBキング、バッハに、変なシンセサイザーの垂れ流しみたいなヤツ...少なくともこっちがライブに期待していたものと関係ある音楽をかければいいのにさ。まあ、そのうち再放送があるかもしれないけどね...それに、France Cultureのほうでもう一度チャンスがあるし(注:1月11日にラジオ局で収録されたライブが、フランス時間1月28日20時30分から1時間オンエア...日本時間で29日午前4時30分スタートデシタ^^;)。
で、土曜(1月6日)はこんな風だった。
そもそもはラジオフランスでスクラヴィスの新しいクィンテットを見るつもりだったんだ。会場に到着したのが午後4時30分、なのにもう満員だって!ちきしょー予約しておけばよかった!ライブの評判がすごくいいから余計頭に来るけど、でも2月3日オンエアだっていうし、ソン・ディヴェール・フェスのライブ(1月27日)もあるからまあいいか。
待っていた友達はのんびり5時15分にやってきた(開演は5時30分。彼は状況をすぐ理解したね)。さあ、いそいでシャトレに向かわないといけない、もし運悪く客がいっぱいでもデュクレのライブで席をとりたいからね。僕らはロンバール通りのGuiness Tavern(デュックの向いにあるバー)に入ってビールを1.5パイント注文した。その前にデュックに電話を入れたら、1部も2部も満員だってさ!でもキャンセルが出るのは期待できる...むむむむむ、これは1日を棒に振るか、と心の底で思ったね。ともかくビールを流し込んでデュックの前で待った。後から女友達もひとり加わってね。店からエリック・エシャンパールが出てきたんで、声をかけようと一歩踏み出したとたん、彼は携帯電話を取り出した。ああ、ついてない。
予約客を先に店に入れたあと、僕らは店員から「バーで立ち見になります」と言われた。入れただけ良かったよ。コンサートが始まり、僕らは場所が悪くて凄くキツかったんだけど、僕は1曲目(Dialectes)に沈み込んだ...音楽にどっぷり浸ったね。コンサートは素晴らしかった、驚きの連続、インタープレイてんこもり、etc...唯一の問題は客の4分の3を占める馬鹿野郎がライブのあいだじゅうしゃべってたってこと。うざってー。
1部の曲目:
Dialectes(20分)
Un certain malaise(16分)
L'annexe(「L'Ombra di Verdi」には入ってない、ロックっぽい曲)(18分)
Emportez moi(アルバムに入ってない、静謐でポエティックな曲。終わりにアンリ・ミショーのテクストが読まれる。つまり未発表が2曲あった)
コンサートは10時に終わり、10時45分に再開する。ともかく2部まで待とうよということになった。入口で、一度外に出て10時45分に戻ってくださいと言われ、店内には居られないので階段で待っていた。下ではすっげーおしゃれなパンツで決めてるシュヴィヨンが誰かとしゃべっていて、エシャンパールは風変わりな帽子をかぶったヤツと一緒にバーにいた。2人ともベタ誉めされてたよ。 10時35分、階段から立ち上がってバーのそばで待っていると、店長がやってきて言うんだ。「前の3席が空いてるからどうぞ」やったね!いきなり座ったのがステージかぶりつき!僕の30cm前にデュクレがいる!顔面受け止め状態!すっげー!エシャンパールは絶好調で(実際の話、僕は5、6回彼をみてるけどいつだって素晴らしいんだ)ストレート、彼がノリだすとじっと見ていたシュヴィヨンの口元に微笑が浮かんだね!
2部の曲目:
Dialectes(19分)
Tarot(25分)
Une scene surtout se renouvellait chaque jour (10分)...この曲ではエシャンパールがシンバルをアルコで弾き、シュヴィヨンは紙に鉛筆で殴り書きをする...コントラバスの上で!クレイジー!
La description du tunnel (20分)...トリオの古典的名作
L'annexe(15分)
2時間半のコンサート、60フランで、これだもんね!
僕はゴキゲンで帰宅した。出だしはマズかったけど、すばらしい一夜だったよ!
ひとつだけ注文があるとすれば、レパートリーをもっと増やしてほしいってことだな。でも、いつも全然違うことやってくれるから、大した問題じゃないよ。