ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァルの存続を!
updated 2001.10.21 / modified 2002.06.05
追記(2002.06.05)
ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァルは、少々規模が縮小したようですが、無事9月6日〜14日の開催が決まりました。詳しくはホームページをごらんください。
追記(2001.11.18)
ミュージシャンユニオン副委員長のオリヴィエ・サンス(クリストフ・マルゲ・トリオのベーシスト)から、B.C.C.で署名した人全員に宛てた11月10日付けのメッセージをご紹介します。仏語OKの方はこっちはムシして(^^;)原文を読んでね。
追記(2001.10.26)
10月22日付けCitizenjazzのニュースによると、カトリーヌ・タスカ文化大臣はフェスティヴァル打ち切りについて、シテ・ド・ラ・ミュジークのディレクターに遺憾の意を伝えた模様。でもローラン・ベイルは譲らない。ウガー。
Jazz Magazineでも署名運動が始まっています。住所・氏名を書いたお手紙での署名もできるそうです。住所は、UMJ,Petition Villette, 91 quai Panhard et Levassor 75 013 Paris。
Jazz Magでは、ヴィレット・フェス打ち切りに関する各方面の関係者のコメントを紹介しています。ルイも「こういうフェスを収益だけで切り捨てるなんて驚きだ。なにより教育的・芸術的利益を考慮すべきじゃないのか」という感じのコメントをしています。
毎年夏(6月下旬〜7月上旬)、ラ・ヴィレット公園で開催されてきたヴィレット・ジャズ・フェスティヴァル(2001年のサイトはここ。どんなに興味深いプログラムだったかチェックしてみて!)。ルイも何度も参加してきました(当サイトでも、1999年のFive Easy Piecesについて、ナルトさんの観戦レポートを掲載しています)。
ところが、2002年1月より、フェスティヴァルの会場となっているヴィレット内の総合音楽施設「シテ・ド・ラ・ミュジーク」のディレクターに就任するローラン・ベイル(現IRCAMディレクター)をはじめとする新運営陣が、このフェスティヴァルの突然の打ち切りを決めてしまいました!
この決定に抗議し、ルイを含む15人のミュージシャン及びフランスのジャズミュージシャンユニオンの連名で、カトリーヌ・タスカ文化大臣に書簡が提出され、更に、フェスティヴァル継続を訴えるための署名運動が始まっています。
ここに掲載するのは、文化大臣に提出された書簡の訳(ただしとてもいい加減^^;)です。もともとは、署名運動への協力呼びかけ文とともにミュージシャンユニオンのメンバーが10月16日に発信したもので、私のところには別のミュージシャン(書簡に署名をしている人ではありません)から転送されてきたのを、10月17日の朝受け取りました。
原文はこちらに載せていますので、仏語OKの方は下は読まないで原文を読みましょう(^^;)
署名に協力したいという方は、メールにアルファベットでお名前を書いて
pourlavillette@club-internet.fr
宛てに送ってください。表題は「Non a la suppression du Villette Jazz Festival」(ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァルの打切りに否を)が分かりやすいと思います。
フェスティヴァルの存続について、経過が分かりましたらまたこちらでご報告します。
(それにしてもさあ、ヴィレットとパルク・フローラルのフェスティヴァルってプログラム見れば一目でわかるくらい中身が全然違うのよ。競合なんてまるっきり理由にならないです。わたしまだヴィレット行ったことないのに、こんなこと許せません。プンスカ!)
文化大臣 カトリーヌ・タスカ様
ラ・ヴィレットのジャズ・フェスティヴァルが打ち切られるという知らせは、ジャズ・ミュージシャンのコミュニティに激しい動揺と反発を引き起こしています。
「ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァル」は、文化イベントの名にふさわしく、これまでに約500名のミュージシャン(大多数はヨーロッパ出身)を迎え、10の世界初演を含む100を超えるコンサートをプロデュースしてきました。
3万人という観客数(無料コンサートの観客はその半数)をみれば、このイベントの観客動員の大きさは明白です。
更にこのフェスティヴァルは、子ども達と地域のミュージシャンを対象にした、数多くの教育的な出会いを組織する場でもあります。
私達ミュージシャンにとって、豊富なプログラムとアーティスティック・ディレクションに基づくこのイベントは、ジャズ・ミュージックという枠組みを超えて、現在のあらゆる音楽動向と出会い対峙する唯一の機会なのです。
ジャズ・ミュージックが、この100年間における最も重要な文化現象のひとつを作ってきたことは誰にも疑いの余地のないことですが、同様に、フランスとりわけパリが、ジャズという表現をその始まりの頃から迎え入れてきた地であることもまた、疑いの余地はありません。
ここで私達自身に重大な問題がつきつけられます。第一に、歴史的見地からも文化的見地からも、パリという都市が国際性豊かなジャズフェスティヴァルを持たずに済まされて良いものなのか。第二に、ラ・ヴィレット公園は、こうしたイベントのための理想的な場を形成しているのではないのか。ラ・ヴィレットの構造全体がその使命を形作ってはいないのか。
他イベントとの競合、予算、観客動員の問題といった、ジャズ・ミュージックに対して最も頻繁に使われる論法を引き合いに出し、芸術的創造や、アーティストとミュージシャンとの本質的な関係への考慮は全くなされずに、極めて誠実な観客に向けて行われていた15年に渡る仕事を消滅させることは可能なのか。
結局のところ、私達はどのようにして、一方ではフランス独自の文化スタイルを守り、他方ではその最も美しい表現のひとつを打ち切ることができるのでしょうか?
ローラン・ベイルは、パルク・フローラルにおけるパリ・ジャズ・フェスティヴァルとの競合に言及しています。
私達の考えでは、このような競合を引き合いに出すことに正当性はありません。パルク・フローラルのフェスティヴァルは、恵まれた植物公園を運営するための連続コンサートですが、ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァルは、文化と創造と教育活動という使命を帯びています。つまり2つのフェスティヴァルは競合するものではなく、互いに補完し合っているものです。
「ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァル」の死によって、ヨーロッパにおける最も重要な芸術イベントのひとつが消滅するのであり、このような不正に対して抗議せずに、黙って見過ごすことは、私達にはできません。
それゆえ、パリという都市が大観衆に真のジャズ・ミュージック・フェスティヴァルを提供できなくなるという事態を容認できないと考え、私達は、「ヴィレット・ジャズ・フェスティヴァル」が、そのあるべき現在にあるべき場所で、継続されることを断固として要求します。
フランス文化・通信省がラ・ヴィレット・グランドホールとシテ・ド・ラ・ミュジークの特権的なパートナーであることを承知している私達は、大臣のお気持ちを知りたくご返答をお待ちしています。
敬具
ドゥニ・バドー
クロード・バルテルミー
パトリス・カラティーニ
ローラン・キュニー
リシャール・ガリアーノ
アントワーヌ・エルヴェ
ダニエル・ユメール
フランソワ・ジャノー
ジョエル・レアンドル
ディディエ・ルヴァレ
ベルナール・リュバ
ミッシェル・ポルタル
アルド・ロマーノ
ルイ・スクラヴィス
アンリ・テクシェ
ユニオン・デ・ミュージシャン・ド・ジャズ