8時すぎに起きてホテルで朝食をとり(クロワッサンがうまい)、用事をすませて、地図とにらめっこしながら今日のスケジュールを考えます。まずは、ホテルから近いアンスティテュ・リュミエール Institut Lumiere に行くことに。リヨンは、映画の父リュミエール兄弟が住んでいた「映画発祥の地」でもあります。
歩いて10分程度でつきますよ、とレセプションの方に教えてもらい、ひんやりした朝のリヨンをてくてく歩いていきました。
ちなみにホテルはこんなところ(パンフレットの写真)。静かで落ち着けるし、宿泊費も安くて助かりました。周りにはなにもないんだけど、すぐそばのバス停からバスに乗れば、そのまま観光名所の多いヴュー・リヨン Vieux Lyon までゆけます。
地図で通りの名前を確かめながら(フランスは、どんな小さな通りにも必ず名前がついていてプレートの表示があるので助かる)歩いて歩いて、確かに15分かからずに、メトロのモンプレジール・リュミエール駅 Monplaisir Lumiere につきました。
アンスティテュ・リュミエールは、リュミエール兄弟が実際に暮らしていた屋敷を改造して作られた映画博物館&フィルムセンター&研究機関。館長はリヨン出身の映画監督ベルトラン・タヴェルニエ。ルイが音楽をつくった『今日からスタート』も彼の作品。左の写真中央がモンプレジール・リュミエール駅の映画100年記念みたいなモニュメント(写ってないけど、下のほうにはリュミエール兄弟からゴダール等現代の映画監督の顔も描いてある)、右側に見えるのがそのアンスティテュなのですが、なんだかエキゾチックで妙な目立つ建物。
アンスティテュのある道はRue du premier film(最初の映画通り)と名付けられ、もうひとつ向こうのにぎやかな大通りはAvenue des Freres Lumiere と、リュミエール兄弟づくしです。
入口からいちど中庭に入って、建物の中に入ってちょっと階段をのぼったところに受付があり、左手の部屋から展示が始まります。いきなり、このようにリュミエール一家の人形が出迎えてくれる。ちょっとキッチュです。(写真だとわかんないけど、中央下の小さな椅子には赤ちゃん人形も座っているのだ)
それから、兄弟の生涯と業績を詳しく記した年譜が壁一面を飾り、兄弟の写真館が館内に再現されているほか、やっぱうれしいのは立体写真とか着色写真とかゾーエトロープとか「フィルム・ビフォー・フィルム」な資料がたくさん展示されていること。ボタンを押すといろんなからくり写真が見られるセットとかあってしばらく遊んだぞ。
アンスティテュではテーマを決めて定期的に映画上映を行っていて、クリス・マルケル特集とか昔のハリウッドのサスペンス映画特集とかとにかくプログラムがすっごくいい。さすが。受付では、アンスティテュが発行している研究誌ほかリュミエール兄弟関連書籍もいろいろ売っていました。
再び中庭に出たのが正午すぎだったか。近くのリセの学生らしい若いコたちが中庭を通ったり、乳母車に赤ちゃんを乗せたおばあさんがお散歩をしていたり。のんびりしています。
さて、次はメトロに乗ってとりあえずヴュー・リヨンまで出ることに。
リヨンのメトロは、ワールドカップのときに整備されたのでしょうか、自動運転のきれいな新しい車両で、ドアも自動だし、1回だけだけど駅名のアナウンスも入るし、ホームとの段差もドアが開くと同時に小さいスロープが降りて解消されるので安全だし、パリとはえらい違いだ(^^;)パリのメトロは車両ドアがボタンやレバーの手動開閉だし、自動改札もタイミングに慣れないと通せんぼされそうで怖いのですが、リヨンは切符を自分で改札機にかけるだけで、改札口というものがないの。うっかり切符を買うのを忘れてそのまま乗ってしまえそうなくらい、あまりにオープンなのでかえって面食らってしまった。
まもなくヴュー・リヨンに到着。お目当ての、とある博物館を探して無事にたどりついたのですが、しまった!「昼休み」になってました。そうそう、フランスは博物館もお店もけっこう長い昼休みをとるところが多いのであった。私もどっかでお昼食べようかな、と思ったけど、あんまりお腹がすいてないし、地図を見たらもうひとつのお目当てだった織物歴史博物館 Musee Historique des Tissusもあまり遠くなさそうなので、けっきょく歩いて織物博物館に行きました。
日本のTVで紹介されたこともある有名な織物博物館ですが、確かにすごいよ。気が狂いそうにきれいなシルクがいっぱい見られる。布地が傷まないように照明を落としているので、ほんとの色がいまいちわかりにくいんだけど。やっぱ圧倒されるのは18世紀と、アールデコ時代の織物が、んも〜〜色も模様も信じられないくらいきれい。ほかにも、空飛びそうなペルシャ絨毯のすごいのとか、民族衣装とかいろいろ見られます。
というわけで、長くなるので続きは後編にゆずることにします。
(つづく)