きょう(2月5日)昼間なんとなくTVをつけたら偶然、デザイナーの島田順子がリヨンの織物歴史博物館を訪ねるという番組の再放送をやっていて驚く。撮影のため展示室をちゃんと明るくしてあって、ちょっとうらやましかった(^^;)
博物館を後にし、来た道をてくてく戻って再びヴュー・リヨンへ。ソーヌ川の橋を渡り、目指すは「自動人形博物館」Musee des Automates 。あ、ちょうど開館時刻のようです(あとで確認したら毎日午後2時半から6時までしか開けないのね、ここ)。一見、お店にしか見えない小さなたたずまいの博物館の入口で、老婦人とショートヘアのかわいい女の子(18歳くらい?)が掃除をしています。もう、これだけでポイントアップ(*^^*)
入っていいですか、と聞くと「どうぞどうぞ」と歓迎してくれます。観覧料を払い(おとな40フランくらいだったかなあ?もうちょっとしたかな)女の子がひとつずつ自動人形のスイッチを入れ、自動人形がぜんぶ職人の手作りだと説明してくれました。この博物館は、自動人形を制作している工房が経営しているようで、向かい側にはその工房らしいお店もありました。
さて、ここで展示されている自動人形。入口近くにはサーカス団やラブレーの「ガルガンチュア」を模した人形たち。少し奥には、ミレーの「晩鐘」「種まく人」など名画を再現した人形たち。青髭公や長靴を履いた猫など、有名な物語のキャラクター。最新作らしいのはミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」の舞台と登場人物たち...それがみんな...んぷぷぷ...あまり洗練されてなくてちょっと悪趣味なところもあって、素朴で、しかもみんな電気じかけで、じーこんじーこん動いている。これがたまらなく良いのです。写真を撮れなかったけど、ブキミな「仏像」???もありました。 左の写真は、とうとう動いているところが見られなかったのが心のこりな猫のカップル。顔をリアルにつくって、あんまりかわいくないというかむしろちょっと邪悪そうなところが心の琴線に触れる触れる。 |
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キリスト誕生の馬小屋を模したセット |
シラノ・ド・ベルジュラック |
ときどき、人形の前に「Qui est-ce?(誰でしょう)」と書かれたプレートが置いてあるのだけど、それは実在の有名人の顔に似せてつくってあるのね。ルイ14世、なんてのから、モーリス・シュヴァリエ、シャルル・トレネもありました。
すっかり和んだ気分で、次はギニョール(人形劇)の博物館を目指したのだけど、閉まっていた...(涙)しかたなく、ヴュー・リヨン界隈をうろうろ。
ヴュー・リヨン駅のそばにあるサン=ジャン(聖ヨハネ)大司教教会前広場からわきに
入っていくと、アジアの骨董品を飾ったアンティークショップに古書店、インドレストラン、現代絵画のギャラリーなど、ちょっと風変わりなたたずまいの店が並んでいます。
教会に近いところで、映画ポスターやポストカードの店を発見。「Loulou」という名前で、案の定ルイーズ・ブルックスらしき女性の横顔が目印になってます。東京にもありそうな感じの店で、いまどきのスターの写真を探しに若いコたちでにぎわっているけど、やっぱりフランスだあ、と思ったのはポスターの品揃え。もちろん、新作映画が多いのだけど、そのなかにちゃんと、古いフランス映画のポスターのレプリカなんかも混ざっているのです。それも、小型のは60フラン、千円ちょっとくらいで買えちゃう。思わず買ってしまったのが、ジャン・ヴィゴ「新学期・操行ゼロ」(たぶんリバイバル公開時のもの)、パゾリーニ「アッカトーネ」、ヴィンセント・ミネリ「巴里のアメリカ人」のフランス版ポスター。わーいわーい。でも後で考えたらジョン・カサヴェテス特集のポスターとか、ジャン・ヴィゴも「アタラント号」(よく見るイラストのじゃなくて、ミッシェル・シモンがメインの変わってるポスター。他にくらべれば少しだけ高かったけど...)も買っておけばよかったのかも...
いつのまにか夕方になり、仕事を終えたジャンがヴュー・リヨンに到着。きょうはジャンのガールフレンドのお家でごちそうになるのです。
出発前に、レコード店を2軒ハシゴ。最初の店はわりとロックが多い。店長のおじさんはジャンのお友達ということ。その後行った中古も売ってるお店のほうが品揃えは面白かった。アナログ盤もそれなりに置いてあるので、時間をかけて探せば掘り出し物があったかもしれない。あと、エクスペリメンタル系のCDばかり集めた棚がひとつ作ってあった。
ジャンの車で、ガールフレンドの住むクロワ・ルス Croix-Rousse 地区へ向かいます。クロワ・ルスは、あのARFIが活動を始めた場所。ARFIがその昔拠点にしていた店、 Les Clochards celestes も、レストランとして今も残っているんだよ、ほら、とジャンが教えてくれました。
そのうえ、ガールフレンドのお家の近所には、あの、ルイとのナゾ(^^;)の共演盤を出しているピアニスト、チャンゴデイが経営するバーがあるのでした。ドア越しにのぞいたら、チャンゴデイ、いたよ〜(^^;)すごく不思議な気分だった。
その後、わたしはジャンのとっても優しくてチャーミングなガールフレンドのお家であたたかいおもてなしを受け、またおなかいっぱいになって(^^;)ホテルに戻ったのでありました。
明日は、いよいよルイとポルタル様のライブです。
(つづく)