あと1週間でルイが来るっっっっっ
というわけで、来日直前記念・ナルトさんの「ラモーのらんぼう」ライブ in サザンプトンレポートが到着!前置きは抜きにして、まずはじっくりお読みください。
Louis Sclavis Sextet "Les Violences de Rameau"
-- Louis Sclavis, Dominique Pifarely, Bruno Chevillon, Yves Robert, Francois Raulin, Francis Lassus
(1999年2月21日(日)19:30 Turner Sims Concert Hall, Southampton)
行ってきました、サザンプトン。ロンドン(ウォータールー駅)から電車で1時間半なので、その日のうちにだって帰れるかも??と思ったのですが、甘かったー。夜中に戻ったとしても終電がないので、結局1泊しました。だいたい会場は郊外で、駅から歩ける距離ではない^^; 早々と到着してしまったので、時間をつぶす場所もありません(図書館に入って学生のフリしてた^^;)。でも、おかげで嬉しいことがありました(^^)v
5時頃に様子を見に行ってみると、わ、もう楽器の音がしています。ホールを覗くと、すでにリハーサルの最中。会場の人が、ノープロブラムですよ、どうぞどうぞ、と言ってくださったので、ありがたく中に入って後ろの方で見学させていただきました。早く来てよかった! 開演1時間前まで、楽器ごとに、それから組み合わせを変えながら、丁寧に音響を調整していました。
なんだかリラックスして楽しそうに見えました。アルバム収録曲だけでなく、シュヴィヨンが一人でクラシックの曲?を弾いたりして、かっこいいなぁ(*^^*) ピアノのアドリブ?から始まって、全員で美しいジャズをちゃちゃっと演奏したり、ソプラノサックスの奇麗なメロディをさらっと合わせたり。わー何でしょう、こんなのも聴きたいですね。
音響の人と、カメラマン他スタッフ数名がいるだけで、一般客は私のみ。なんてゼイタクな経験でしょう。入場料は、学生なので£3.50(700円ほど)。これでリハーサルまで聴かせていただいちゃって、まことに申し訳ないです。
ホールは400席強ほど。新しくて煉瓦の壁やパイプオルガンがシックで、なかなか立派でした。冬〜春のプログラムを見ると、Kenny Wheeler(Angel Song), Pascal Roge, Gidon Kremer, Julian & Steve Arguellesなどなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。一般チケットはどれも£10か£6.0。安いー。
コンサートのリーフレット(A5版で洒落ている)を見ると、今回のライブは、ここだけでなく、前日(土)はバーミンガム、翌日(月)はノッティンガム、翌々日(火)はブリストルという、4日連続の英国(イングランド)ツアーになっていました。Mikikoさんのホームページによると、この後25日(木)にブラッセルでトリオの演奏(来日前の予行?^^;)があって、結構タイトな日程に見えますが、風邪などひかずに来日なさいますように。
…前置きが長いです^^; 例によって、音楽的なことはともかくとして、見てきたことだけ書きますね。お許しください。さて、会場はほぼ満席になりました(みんな車で来てるんだろうなぁ)。私はまたまた最前列を確保してます(^^)v ピファレリさんのど真正面、同平面で2mも離れてません。盛大な拍手の中、6人がさっそうと登場して、さー演奏開始...なかなか始まらない。突然、スクラヴィスさんが引っ込んじゃいました。しーん。会場から笑いが漏れる。どうしたんだ^^; と思ったら再びすたすた現れて、ストラップをお忘れだったんですね(^_^;;;オチャメ
CDと同じく、おなじみの「le diable et son train」悪魔と彼の列車(?)で激しく開始。意味深なタイトルはあるし、単にラモーの曲をアレンジしたというだけでなくけっこういろんなイメージが込められているのかも、というのを改めて感じさせる。どの曲も、モチーフの間にどんどんアドリブが疾走していって、うあーどこまで行くんだぁ、と思っていたらびしっと決めの部分が来て、そうゆうのがすごくかっこいいです。
CDの作りもそうだけど、ライブで聴くともっとずっと展開が激しいというか。長いソロやデュオの時、暇な人は隅の椅子に座ったりしてぼーとしてるんですけど、トュッティの前にゆっくり立ち上がって集まって、スクラヴィスが、せーのー(アンドゥトロワか)って腕を振り上げて決めたり。演出というものじゃないでしょうけど、流れのあるステージ上の動きを見ているのは、とても面白かったです。
「venez punir son injustice」→「charmes」→「la torture d’alphise」へと途切れなしになだれ込む辺で、だんだんアドリブの激しさが増していきました。スクラヴィス腰だめになって吹きまくる〜。クラリネットのソロがほんとに凄いです。循環奏法も力強く、なんか今や油が乗ったという感じなのでは。…フランシス・ラシュー(読み方これでいいのかな)が、思う存分ドラムソロを叩き終わると、立ち上がって客席に拍手を要求。何をするのかと思ったら、インスタントカメラで客席をパチパチ撮ってうけていました^^;(ピファレリさんの足元にもカメラがあったけど、彼は遊びませんでした。)
一転、ピアノとヴァイオリンの「ismenor」は、ほとんど新バージョンのように長いデュオをたっぷり。それぞれ好きなことを存分にやっている感じが楽しい。フランソワ・ローランは、わりと普通に弾いていましたが、ここでプリペアドにしたりしていたのはCDと同じです。(CDではエレクトリック・キーボードを使っている、のかな? ステージはピアノのみ。)全員演奏に戻って、この曲がすごく長かった。ピファレリ作品の「usage de faux」も、延々長くて、微かにモチーフが聞こえてくるけど、もうどの曲か分かんない。
次が、ブルーノ・シュヴィヨンの凄いソロでした。椅子に座った姿勢で、あっさりすごい速さで音を繰り出してくるのはDUGで見ましたが、広いホールで聴くと一段と繊細に音を響かせているみたい。エレクトリック・バイオリンが入る「post-mesotonique」に展開して、また延々といろんな方向に展開していきました。イヴ・ロベールが落ち着いて締めて終わり。
シュヴィヨン作品の「pour vous … ces quelques fleurs」。ベースとヴァイオリンの長い掛け合い、荒れ狂うクラリネット^^;、プリペアド・ピアノなど、ちょと凄みのある現代音楽風になっていました。
最後にスクラヴィスのMC…「今夜はラモーの作品を演奏しましたが、いくつかは、ちょ っぴりグループのみんなによってアレンジされていました(笑)。最後に、これもラモーの「ガボット」をやります…(あれ、うけない?^^; 拍手してあげよう(^_^;;;)はい、みなさんのために「ガボット」です(笑)」。...なんてことを英語でしゃべっていました。なんか、普通のことを言っているのにそこはかとない可笑しみがあり^^;会場は暖かい笑い声に包まれます(^^)。これもかなり変幻自在なアレンジになっていたみたい。かっこいい曲ですよね。
拍手と口笛が鳴りやまず、アンコールで「de ce trait enchante」。弦の音を最後に残してすっと終わる終わり方がなんともいえず。…CDとだいぶ曲順が変わっていたようですが、なんかもう自由自在に料理という感じでしょうか。最初から最後まで、ひとつの舞台が展開したような充実感と面白さがありました。
********
終演後、CD均一£14で、スクラヴィスのサイン会をやっていました。嬉しそうに書いてもらっている人、若干名(含む自分…CDは持参)。
ピファレリさんがワインの瓶を片手にご機嫌だったので、このライブ、日本でも聴きたい人「いっぱい」います(って、知り合い数名のことを思い出したわけですが^^;)ぜひ来てください! って、勇気を出して話し掛けてみました。そしたらば、このセクステットではこのツアーの後、もう演奏しないんだとか。えーなんでですかぁ。「なんでってー、もう10年も同じメンバーでやってきたしね。そろそろ別の方向に行きたいというところかな。」というようなお話でした。貴重なものを聴いてしまったなぁ。
「ラモーのらんぼう」って、冗談にしても名訳(byニフティ会議室のちるミスさん)ですね。典雅と激しさ、そこはかとないユーモア、あふれるイメージ。いつの日か日本でリユニオン、なんていうことがあるといいのに…と思いました。
※スクラヴィス追っかけ旅予告編(前向き検討中(^_^;;;) --- 1999年4月6日
Fred Frith / Jean-Pierre Drouet / Louis Sclavis(Roscoe Mitchell Note Factoryとジョイント), Paris, "Festival Banlieues Bleues"
ちょうどイースター休暇なんです(^^)v
@@@ナルト@@@ from London
ナルトさん、ほんとうにありがとうございました。
でもでもでもね、ショックなのは、このSextetの活動が終わってしまうというピファりんのお言葉なのよ〜〜。いつかきっと、いつかきっとと思っていたのにー。こんなゴージャスな凄いメンバーの凄いグループだったのに。ピファりん、ウソだと言ってえー(T_T)
確かに、みなそれぞれ新しいグループを作っているし、新しい活動をどんどん展開させているのだから・・・そっちに期待していけばいいのよね、とは思うのだけど。でもこちらにいると、「見られなかった」グループの多さに呆然としてしまうのです。
こないだだってさ、最近手に入れた数年前のJAZZ MAGAZINEに、1年間(?)だけの期間限定だったらしいルイとティム・バーンとノエル・アクショテのトリオのライブ評が載っててさ、凄く誉めてあるからやっぱり面白かったらしいのよねー。あとやっぱり1年間だけだったディノ・サルーシとルイのデュオとかさ、いろいろあるわよ。しくしく。
だけどもうすぐ、やっとやっと日本でルイのトリオが見られるんだから、とにかく今はそちらを楽しみにしていましょう!