えーと、ルイ自身によるエッセイがあまりに難しい(いやその、あるコンサートの思い出を書いているんだけど、それがまたかなり奇天烈な演出をしていたみたいで、何が起こっているのか、どこまで本当なのかよくわからなかったりするという...)し、ENJAからの新作リリースは秋以降になるようだし、というわけで、直接ルイは出てこないけど、フランス年関連企画であります。
じゃじゃーん。今回よりお届けするのは、なあんとブノワ・デルベックとイニアテュスのインタヴューだ!
昨年、 Rectangle よりイカしたシャンソン・カヴァー集 "Morceaux Choisis" (「選集」という意味)をリリースした Recyclers のメンバーで、いつもカチョよいピアノを聴かせてくれるブノワ・デルベック。同アルバムにも参加し、またソロアルバム「異空 (l'air est different) 」は国内盤も出ているフレンチ・ポップ界の渋〜いヴォーカリスト、イニアテュス。"Morceaux Choisis" で初共演をした二人が、アルバムのことから子供の頃まで遡る音楽体験など、いろんな面白いことをたくさん話しています。
インタヴューは1997年11月パリで行われたものですが、公開されたのはつい最近。原文は上のリンクから見てください。
インタヴューを掲載しているFennecは、creative music をテーマにしたメーリングリスト(言語は基本的に仏語)で、フランスのインプロ系ミュージシャンやジャーナリストも参加。ホームページでは、ML入会案内だけでなく、パリの最前線を行くライブハウス Les Instants Chavires のスケジュール(ちと更新が止まっているようですが)他、興味深い記事を掲載しています。
MLでは、フランスで行われたライブの「見てきたばっかりレポート」が読めるのが凄い。最近では、オランピア劇場での Sonic Youth のコンサートで実現した「Thurston Moore / Michel Doneda / Jean-Marc Montera の共演」が話題になりました。今、フランスは思いきりヴァカンス・モードでMLも半ばお休み状態ですが、9月になれば、夏のフェスティヴァルの話題などでまた盛り上がるでしょう。
ちなみにMLの日本人会員は現在1人らしいので(^^;)興味ある方の入会お待ちしております。
そんなわけでFennecからOKをいただき、これからインタヴューの訳(といえるシロモノじゃないんだけど、「こんなことが書いてあるわけね」程度の参考にしてください^^;)を掲載しますが、まずは本文に入る前に、アルバムと二人のミュージシャンのコンパクトな紹介をどうぞ。
ブノワ・デルベック10月来日記念、そして、"Morceaux Choisis" がUplinkレーベルからCDとして!国内リリースされるようなので(これも詳細がわかったらお知らせします!)それを待ちながら、お読みくださいませ。
"Morceaux Choisis" は、「今」のミュージシャンによる過去のメロディのカヴァー集だ。スタンダード・ナンバーのカヴァー集は数多い。しかし"Morceaux Choisis" は 、Rectangle レーベルの他の作品同様、既存のカヴァー集とはまったく趣の異なるものとなっている。Rectangleはカンタン・ロレ (Quentin Rollet、父親はARFIの中心メンバーであるドラマーのクリスチャン・ロレ Christian Rollet)とノエル・アクショテ (Noel Akchote, 全領域型^^;ギタリスト) によって設立されたレーベルで、「今」の音楽を分厚いアナログ盤で広めようとしている。「今」の音楽とアナログ盤 - 大手レコード会社が自社カタログのCD再発で稼いでいるだけのご時世に、2つのラディカルな選択をしたのだ。
「今」の音楽?
収録曲の再アレンジはリサイクラーズ Les Recyclers (スティーヴ・アーギュエル Steve Arguelles - ドラムス、パーカッション、アレンジ/ブノワ・デルベック Benoit Delbecq - ピアノ、プリペアドピアノ、キーボード/ノエル・アクショテ Noel Akchote - ギター、ベース、ヴァイオリン、ノイズ)が手がけている。これまでに発表した3枚のアルバム(うち1枚はRectangleよりリリースされた)で、リサイクラーズはコンテンポラリー・ジャズにおいても特異な世界をつくりあげている。
ヴォーカル・パートを担当したのは、イニアテュス(Ignatus、別名ジェローム・ルッソー Jerome Rousseaux、元レ・ゾブジェ Les Objets のヴォーカリスト)、ムッシュー・カトリーヌ(Katerine)、サシャ・アンドレス(Sacha Andres、エリオガバル Heliogabale のメンバー)、そして女神、イレーヌ・ジャコブ (Irene Jacob)だ。片やジャズ、それも最も現代的な表現でのジャズ。片やpopとrock。純粋主義者、そしてあらゆる保守主義者にとっては相いれない2つの世界。何人かの探求心旺盛な知性にとっては、結びつくことも可能な2つの世界。
そんな知性を持つ二人、ジェローム・ルッソー(イニアテュス)とブノワ・デルベックが、Fennecのインタヴューに応えてくれた。
(以下、次回に続く)