02 septembre 2000 -
今回は、ほんとうは「ユゼスト・ミュジカル」続報を書くつもりだったんだけど(いろいろ興味深い報道があったのだ。ルイも、コンサートはキャンセルになったけど8月17日には応援に駆けつけていた)、新ネタが入ってしまったのでこっちを先に書くことにします。
ルイはSILEXレーベルからリリースされたディスク「Le Partage des eaux」「Chariot d'or」への参加という形で(ディスコグラフィと、99年7月18日の日記を見てね)、オーヴェルニュ地方の音楽に取り組んだことがあるわけですが、オーヴェルニュ地方を中心とした南仏伝統音楽の振興に取り組んでいる、AMTA (Agence des Musiques Traditionnelles en Auvergne)のオフィシャルサイトが見つかりました。このマーク、南仏伝統音楽関係のCDを買ったことがある人なら、見たことあるかも。
このサイトは昨年あたりにオープンしたようで、英語版は準備中だし決してコンテンツがもの凄く多いというわけではないけれども、名前や楽器別にミュージシャン・グループの検索ができるし、最近のディスク情報もあります。なにより、かつてSILEXなどのディスクで私達が出会うことができたミュージシャン達が「今」何をしているのかがわかる、というのが一番の魅力といえるのではないかしら。
このサイトでは、検索したディスクをネット上で直接オーダーできるようになっているのですが、残念ながらこのシステムは、現在「日本」からのオーダーには対応していません。でも、無料の総合カタログを送ってもらって、そのリストからFAX・郵送などでオーダーすることは可能です。そんなわけで私はさっそくカタログ「Les Musiques du Massif Central」(マシフ・サントラル=オーヴェルニュ、リムーザン地方を含むフランスの中央山塊地域)を送ってもらいました。
・・・しかしあるわあるわ。ジャケ写をみると、都内の輸入盤店で見たことあるものもそれなりに載っているのでちょっとは安心したけど、でもやっぱり「こんなCDあったの?!」とあせったものもかなりあるし、とにかく壮観です。これは。まず日本には入ってこないだろう、南仏語の小説CDブックなんていうのもある。それと書籍類。研究書とか楽譜とかいろいろ出ているのでびっくり。ジル・シャベナがテクニカル・アドヴァイスをしているハーディガーディ教則本(シャベナの自作曲楽譜つき)なんていうのもあるので、ハーディガーディを持っているひとは買いましょう。(^^;)
ところで、メールでカタログやネット通販の問い合わせをしていたら、返事をくださったAMTAスタッフの女性が嬉しいインフォメーションを教えてくださいました。
2年前から、アンドレ・リクロとアラン・ジベールを中心とした新グループが活動を行っているというのです。その名も「Ici L'Auvergne」(Ici=英語のhere)。AMTAのサイトでメンバーを確認することができました。
Alain Bruel (accordeon chromatique)
Alain Gibert (chant, trompette)
Frederic Paris (clarinette, chant, musette du Centre)
Francois Raulin (piano, melodica)
Andre Ricros (chant, cabrette)
Christian Ville (batterie)
わああ。これはまさにSILEX〜ARFI組、それも完全に「Le Partage des eaux」から「Chariot d'or」という「想像のオーヴェルニュ」の流れを汲んでいる。とりわけ「るいるい」的には、フランソワ・ロランとクリスチャン・ヴィルの参加!
かつてSILEXレーベルから、あんなに豊穣な作品群が生まれたのは、アンドレ・リクロのアイデアと尽力に寄るところが多かったと聞きますが、リクロ氏ご本人が今でも精力的に活動を続けていることがわかったのは嬉しい限り。
「Ici l'Auvergne」は近々ディスクをリリースする予定もあり、「想像のオーヴェルニュ」の新たな展開を、私達が耳にできるのもそう遠くはなさそうです。