これを待っていたのよおおおおおっっっっ
新年最初のるいるい日記は、LOUIS SCLAVIS & BERNARD STRUBER JAZZTET の "LE PHARE" 発売記念ライブ・レポートで幕開けだっ!
報告は我らがナルトさんです。ロンドンからパリにひとっ飛び、感動のレポートは12/12/98のORIS JAZZ FESITVAL報告同様、最初にFJAZZの「倶楽部ECM」会議室に書かれたもの。またまた、こちらへの転載のために手を入れてくださいました。Merci Beaucoup !
Louis Sclavis/Bernard Struber Jazztet “Le Phare”
(1998年12月29日(火)21:00, New Morning (Paris))
ライブ中毒なロンドン留学生活^^;を送っている私ですが、1998年の締めくくりは、なんと、ルイ・スクラヴィス・パリ公演となりました!! ロンドン〜パリ間はユーロスターで3時間、学生向けディスカウントを使えば、運賃は定価の半額ほどで行けちゃうのです。矢も楯もたまらず、という感じで出かけてしまいました。とっても感動したので、また思いっきり長いですが、とりいそぎ書きなぐります(Mikikoさんのためにもっ(^^))。
この公演は、スクラヴィスとBernard Struber Jazztetの新譜 “LE PHARE”(ENJ 9359 2))によるものですが、ロンドンではまだ発売されていないので、まっさらのライブ体験でした。しかし、会場で購入したCDを帰宅後聴いてみたところ、だいぶ印象が違いました。私はろくな再生装置を持っていませんし、ライブならではの熱狂だったのか、よく分からないのですけど。
出演者は以下のとおりでした。
前列(ステージ向かって右から左へ)
1)Philippe Aubry (sax tenor), 2) ??? (oboe?), 3)Roby Glod (sax),4) Jean-Marc F??? (clarinet), 5)Frederic Noel (violin), 6)Serge Haessler (trumpet), 7)
??Colignon?? (colnetphone),
後列(同上)
8)Eric Echampard (drums), 9)Latif Chaarani (percussion), 10)Jeremy Lirola (bass), 11)Francois Thuillier (tuba), 12)Bernard Struber (guitar),13)Benjamin Moussay (piano)
前列左端
14)Louis Sclavis (sax, clarinet, bass clarinet)
収録曲を順に演奏しましたが、それ以外にも一曲やりました。また、CDには入ってない、ヴァイオリン奏者(フレデリック・ノエルとかいう若手)が参加していました。ス テージ自体、すごく準備された完成度の高さを感じた気がします。CDの録音時期が1997年9月とのことなので、すでに新たなイマジネーションによる変化が起こっていたのでしょうか??
NEW MORNINGは、大抵の旅行ガイドブックに載っている老舗で、スタン・ゲッツなど大物が数多く出演してきたところだそうです。パリ東駅・北駅から徒歩15分〜20分。近くのエコノミーホテルに飛び込みで泊まったのですが、周囲は比較的安全な場所のようで、深夜の女性一人歩きもぜんぜん平気でした。会場に100人前後は入っていたと思います。9時開演の予定が、9時半くらいになりました。(最初のお知らせでは8時開演だったのですけど。)
ルイさんは、開演前に何度も一人でステージに現れて、楽器やマイクの調整に余念がありません。(この日も黒い丸首シャツとズボン、グレーのスニーカーという舞台衣装、というか仕事服って感じですね。)学生風の若い人が何やら質問に行っても丁寧に応対されていて、優しい方ですねー。私も意を強くして、ちゃっかりCDにサインもいただいてしまう^^; 握手なんかもしてしまう^^;;;(Mikikoさんより先に...すみませんm(_ _)m) お声と同様、温かくてしなやかで柔らかな手でした(*^^*)
音合わせが済み、Struberが一人一人出演者を紹介した後で、やおらCD一曲目のLE RETOUR D’OTTOMAR(1989年のアルバム"CHAMBER MUSIC"(IDA 022)の1曲目”OTTOMAR”を、Struberと共作し直したものらしいです)から始まりましたが、スクラヴィスの即興部分など、CD録音のような静かなものではなかったぞー。楽器の数も多く聞こえた?し、最初から最後まで全開・前のめりで賑やかでした。ど迫力にすっかり引き込まれて、会場はヤンヤの拍手(^^)
Roby Glodが活躍のLE PHARE、ピアノの長いソロで始まるDERNIERS REGARDSと続くのもCDと同じでしたが、テーマに入っていくところや、最後の締めくくりなども、ライブはドラマチックだったなぁ(*^^*)。3曲目は、トランペットの代わりにヴァイオリンが入ったのかしら??
スクラヴィスだけでなく、全員のテンションが凄く高かった感じです。何人か年配の方もいますが、若いバンドですね。誰かがソロを取る時も、みんなその演奏に入り込んで聴いている様子で、後ろのベースとかのソロになると、前列は全員ヤンキー座りで没入している(^_^;;;
向かって左端の、ピアノの前にスクラヴィスが陣取り、主役でありながらなんとなく全体を見てサポートしている感じ。その隣のStruberとピアノのBenjamin Moussayが主なアレンジ担当なので、せーのー、という感じで仕切りますが、その盛り上がり方もすごく決まっていてかっこいい。ステージを見ているだけでも面白かったです。
私は前から3列目で、演奏中のスクラヴィスの正面という好位置にいました(^^)v ソロの途中で(循環奏法?)じっとり汗ばんでくる様子や、演奏の合間にリードを舐めて取りかえる様子まで、至近距離で目の当たりにしてしまったのでした。
途中のMCはスクラヴィスなのですが、「今やったのは、えっと…、voila!」なんて照れ隠ししながらしゃべるのがとってもチャーミング(*^^*) 前半最後は、Struberのアレンジによるマイルスの「NEFERTITI」でした!! 出だしは、先月ロンドンで聴いたアフリカン・トリオでの「白い小さなベッド」みたいなバスクラのソロがえんえん。これはなんだー?と思っているうちに、ギターやトランペットやドラムが入ってきてテーマが始まって、ピアノが加わって雰囲気の違う演奏が続いたあと、全員でテーマ。こんな奇麗な曲だったんだなーと思うような印象的なもので、休憩に入ってからもつい口ずさんでいるお客さんもいました。収録曲以外の一曲はこれでした。
…しかし、フリージャズって、真剣にやればやるほどある種の可笑しみが醸し出される気がするのですが(それって、良質なものなら「知的」だってことだなんて、勝手に考えています(^^ゞ)、この日も、スクラヴィスの熱演ソロが始まるたび、斜め前のカップルはくすくす笑いが止まらなくなる^^; まぁそういう聞き方があってもいいよとか思ってみているうちに、前半でどっかへ行ってしまいましたが^^;
後半はまた収録曲の続き。4曲目PROCESSIONも、こんなに(CDみたいに)おとなしくなかったです〜。EnjaのホームページでReal Playerで聴けた、KAMPALAという曲も、ナマはもっともっと即興いっぱい、音の嵐状態?でしたー。(CDは、何か全体に組曲風にまとまって聞こえますね。)MANOIRにはまたヴァイオリンの長いソロなどが入り、出口入口は同じでも途中は別物のよう。最後はLES MARCHES(これも89年の”CHAMBER MUSIC”に入っていた曲ですね)で締めくくって、結局、全曲演奏したことになります。(と、タイトルも聞き取れるほどルイのMCはとっても明瞭で、軽い冗談も飛ばすのですが、仏語が分からない悲しさ^^;)
最後の曲なんかも、ライブでは最後まで疾走感があり、テーマだけ借りてほとんど別の構成をしていたみたい。またここで、背の高いフリューゲルホーンの青年(名前を確認しそびれました^^;)がマイクを指して何か指示していたので、何を始めるのかなぁと思ったら、なんと絶叫ボーカル。うまいんです〜これが。
アンコール(LES MARCHESを別アレンジでもう一回)は、この人の独壇場。凄いのー。楽器なんていらないんじゃないかと思うくらい正確で抑制されていて、声がでかくてバンド全体に負けていない^^; パーカッションとブラスを同時に声でやってしまうみたい^^; スクラヴィスのバスクラがしっかり伴走する場面から始まり、最後のテーマの絶叫なんかもかっこよく、こういうの、ジャズファン以外が聴いてもすんごく面白いんじゃないでしょうか。
終ったのは深夜0時を回っていました。しみじみ満足。ロンドンと続けてライブを聴いて、完全にルイ・スクラヴィスの大ファンになってしまっています。才気に溢れていて、しかも激しい。ジャズの範疇を超えて感動させるものがあると思います。しばらくぼーっとステージの片づけ風景を眺めて、クールダウンしてから帰りました。
サインを下さったルイは、本当に気さくで優しい方だと感じました。3月の来日で、Mi kikoさんと、そして日本のファンとどんな出会いがあるのか、楽しみでわくわくしています。
※スクラヴィス追っかけ旅予告編 --- 1999年2月21日、Louis Sclavis Sextet at Turner Sims Concert Hall, Southampton(”Les violences de Rameau” (ECM 1588)のライブらしい。やったー(^^)v)
@@@ナルト@@@ from London
うーむしかし。このリアルなレポートを読んでいると、CDの"LE PHARE"だけじゃわからない、伝わってこないことがたくさんあるのだわ・・・と思って、なんか歯がゆいのよ。そうよねえ、Acoustic Quartetだって東京で見たライブのほうがCDより...(^^;)でも、4年経ってようやく、CDも素直に「いいアルバムだなーっ」と感じられるようになったけど。「ラモーのらんぼう」もさ、ライブの方が良いらしいのよね...ナルトさーーん、2月のサザンプトンでのコンサートも、レポートしてねーっm(T_T)m