6日。
今日から、フランス人の友達の家に泊めてもらう。11区だが、いままで泊めてもらっていた日本人の友達の家からメトロの同じ路線で数駅しか離れていない。こちらも、チャイナ・タウンがあったりして、中国系やムスリム、アフリカ系移民の人達がたくさんいる賑やかな界隈だ。
昼前に荷物を運び込んで友達と再会を喜び、私はすぐに出かける支度をする。
今日は、いつもお世話になっているYTT(おフレンチ・ミュージック・クラブ)のツシマさんに会えるのだ。
ランチの場所は、元ホテル・ニッコー・ド・パリ(現NOVOTEL DE PARIS)に入っている、有名な鉄板焼レストラン「弁慶」。今までニッコー・ド・パリ界隈にはとんとご縁がなかったので、もちろんこの店に行くのは初めて。メトロの乗換に手間取り、待ち合わせ時刻に少々遅れてしまった。ドアボーイが開けてくれる入口(うう、慣れない^^;)からエスカレーターでレセプションに上がると、すでに今日のメンバーが揃っていた。ツシマさん、私と同様に東京から来ているTOMIさん(ジュリアン・クレールのファンサイトを作っていらして、ちょうどジュリアン・クレールの連続コンサートを観るためにパリに滞在中だった)、それからパリ在住の日本人女性が2人。YTTのサイトのテクニカルサポートをしていらっしゃるエイコさんと、フレンチ・ポップのアルバムライナーノーツや音楽記事執筆で活躍されているyasco-yaさん。
「弁慶」は、セーヌ川を見下ろす眺望の美しい店で、エグゼクティヴな方々がビジネス・ランチをとるのにぴったりという感じ。日本人の店長さんもフランス人のギャルソンも日本人の板前さんもおだやかで礼儀正しくて品の良さが押しつけがましくないのでとてもくつろげる。そしてツシマさんがご馳走してくださったランチはとても美味だった。私はひさしぶりに日本酒をいただいてしまった(^^;)。
あっというまに時間が過ぎてしまったが、パリに住んでいる方々からいろいろと貴重なお話を聞けた。初めてお会いしたエイコさんもyasco-yaさんも、とても魅力的な方だった。
帰りは、ツシマさんが車で(この後会社でミーティングがあるというのに)送ってくださった。車中で、ちょいとここには書きにくいことも含めてフランスのジャズ&ミュジーク・アンプロヴィゼー(^^;)のCD流通状況などのお話をうかがった。うーむ、いろいろと考えるところは多い。
夜は、シリル・アテフがリスボンで言っていた、ブンチェロのライヴに行った。会場のクラブ、ヌーヴォー・カジノ Nouveau Casino は初めての場所だったが、聞いてみたら友人宅から徒歩で10分程度の所にあると判明。
ここはいわゆるクラブで、入店する時にはアフリカ系のコワモテなガードマンにバッグの中をチェックされる。私は早めに入ったのでステージかぶりつきの場所がとれたが、ライヴが始まる頃には満員になっていた。
今夜のシリル・アテフは、上半身はだか&裸足、カラフルなニットの帽子をかぶり腰には青い布を巻いていて、ますますどこの国のひとだかわからなくなっている(^^;)一方のヴァンサン・セガルは、あいかわらずジャン=ピエール・レオに似ているのだった。
ブンチェロのサウンドは、やっぱりこういう踊れる場所で聴くほうがいい。私はかぶりつきでシリルの最高にダンサブルでカッコいいドラムスを聴き続けて、う〜ん幸せ。ヴァンサン・セガルのエレクトリック・チェロも、アミアンで聴いたときより良かったと思う。後半にはゲストにどっしりしたアフリカ人のおじさんヴォーカリスト(名前が聞き取れなかった〜)も登場して盛り上がった。
7日と8日は、昼間はオペラ座近くのネットカフェで日本語のメールを書いたり、友達の家でパトリック・ボカノウスキのビデオ短編集や昔のかわいい人形アニメーションを見せてもらったりしてのんびりと過ごした。
7日の夜は、ドラジビュスのフランクとロー、音楽ファンジン「Peace Warriors」の編集をしている友達のパトリックと、ラジオ・リベルテールの音楽番組のスタッフ(私はここで初めてお会いした)と一緒に、またまたクスクスを食べた。うう、何度食べても美味しいクスクス。食事の後、フランクとローはラジオ・リベルテールの番組収録に向かった。伝統音楽から、最近2人がよく交流しているエクスペリメンタル・ミュージックのミュージシャンまで、様々なハンガリーの音楽を紹介したらしい。